耐震診断の基準を知ろう!改善の検討に役立つ情報をご紹介
建築物が保有する基礎的な耐震性能
耐震診断では建物の耐震性の算出にあたって、いくつかの指標を用います。そのひとつが、建築物が保有する基礎的な耐震性能を示すEo(保有性能基本指標)です。建物の強度を表す指標と、建物の粘り強さを表す指標によって求められます。
Eoは建物の耐震性能を総合的に示すIs値を計算するうえで重要な指標です。なお耐震診断の結果においては、Eo単体ではなく、多様な観点の結果を総合的に提示したIs値のチェックが重要となります。
揺れに対する建築物の粘り強さ
地震の揺れに対する建築物の粘り強さも、耐震性能を図るうえで重要なポイントのひとつです。粘り強さが小さい建築物は、たとえ強度が大きくても、限界を超えたときに突然崩壊するというリスクを持ちます。
建築物の急な崩壊は対処が難しく、人命に与える影響が非常に大きいです。そのため単純に強度が高いだけでは、地震に対する耐性があるとはいえません。耐震診断では強度と粘り強さの両方を図り、両方の指標にで高い数値を実現させるための改修を行う必要があります。
経年劣化の影響を反映する指標
耐震診断では、経年劣化の影響を反映する指標(経年指標)も重要な意味を持ちます。建物の経年劣化によって生じた欠陥は、耐震性能を低くしてしまう要因です。経年劣化の具体例として、ひび割れ・変形・老朽化などが挙げられます。
前の項で紹介した基本指標や粘り強さなどの数値が十分でも、経年劣化が多く生じた状態では、耐震性能の高い数値は得られません。建物の基本的な性質だけでなく、年数の経過によるダメージにも注意が必要です。