耐震診断の際の耐震診断一次診断と二次診断の違いについて
次数が上がるほど高くなる診断の精度
耐震診断は一次診断・二次診断・三次診断の3つに分けられます。次数が上がるほど診断の精度は高いです。3段階の診断を順番に実施するのではなく、建物の種類や必要性に合わせて、いずれかの診断方法を実施します。
耐震診断は最初に予備調査を行い、建物の基本情報を確認・把握するのが一般的です。予備調査の結果を踏まえ、対象の建物に対して必要な診断を選びます。どの診断を実施するべきか、調査を依頼した機関による提案を受けられるため安心です。
一次診断では図面を元に建物強度計算を行いコア抜きを参考に診断
一次診断は壁が広い建物をメインの対象とした、もっとも簡易的な診断です。図面を元に建物強度計算を行い、コア抜き(建物の基礎となるコンクリート部分に穴をあける作業)を参考に診断します。
一次診断では、柱と壁の断面積およびコンクリートの強度を用いて耐震性能を求めます。建物の壁量を計算に用いるため、柱梁で躯体を構成している建物には適さない方法です。壁量が多く、予備調査において改修工事の必要性が高くないと判断された場合、一次診断を行うケースが少なくありません。
二次診断では建物各階でのコア抜きや鉄筋検査で精度の高い耐震診断
二次診断では建物各階でのコア抜きや鉄筋検査を行います。柱・壁の強度および靭性(粘り強さ)を考慮して耐震性能を計算します。一次診断よりも精度の高い耐震診断です。耐震補強工事を実施するのであれば、的確な補強設計のために二次診断を行う必要があります。
二次診断はビルやマンション、公共建築物などの耐震診断で最も多く行われている方法です。耐震補強工事を検討している場合や、より制度の高い結果を求める場合、二次診断を行うべきといえるでしょう。